夜勤のある看護師は、生活リズムが乱れやすいと言えます。食事の時間も不規則になりがちなこともあり、メタボリック症候群を発症するリスクが高まるなど、体に大きな影響を及ぼしてしまうことが分かります。また、日中に寝て夜に仕事をすることから、上手く睡眠時間を確保できないと慢性的な睡眠不足に陥りやすく、疲れも溜まりやすくなることから、体へさまざまな影響を及ぼします。

まず挙げられるのは、睡眠不足で免疫機能が低下することによる、生活習慣病やがんの発症リスクの高まりです。生活リズムの乱れによって体内時計にも変調をきたし、ホルモン分泌に悪影響が出て肥満などの生活習慣病になりやすくなる他、メラトニンと呼ばれる物質の分泌が減ることで発がん性も高まってしまうのです。

更に、睡眠不足は睡眠障害を引き起こし、寝つきが悪くなって寝ようとしても寝られなかったり、熟睡できず疲れが取れないなどの症状が出てしまいます。睡眠障害によって睡眠不足が深刻化してしまうと、睡眠薬を飲まないと眠れなくなってしまったり、仕事中にもあらがえないほどの強い眠気を感じたり、数秒間の居眠り(マイクロスリープ)をしてしまったり、集中力が低下してイライラするなど、ストレスが溜まりやすくなります。その結果、仕事に対する意欲や気力を失い、情緒が不安定になってうつ病や自律神経失調症など、精神面にも大きな影響が出てきてしまいます。

このような体や心に悪影響を与える睡眠不足を防ぐためにも、不規則な生活でも質の良い睡眠を取れるような工夫が必要となります。睡眠不足を解消するために生活リズムを整えることは、夜勤のある看護師にとっては難しいことかもしれません。しかし、看護師として長く活躍したいのなら、生活リズムを整えて睡眠不足を解消することが重要です。